店舗内装工事を依頼する際、最初から詳細なデザインや図面が決まっている必要はありません。しかし、店舗の目的や取り扱う商品、希望する開店時期などを整理しておくことで、施工会社との打ち合わせを進めやすくなります。
一方、準備が不十分なまま設計を進めると、途中で必要な什器が増えたり、設備工事の追加が発生したりすることがあります。
本記事では、店舗内装工事を依頼する前に決めておきたいこと、用意するとよい資料、施工会社との初回打ち合わせで確認したいポイントを整理します。

店舗内装工事の準備は何から始める?
店舗内装工事の準備では、まず「どのような店舗をつくるのか」を整理します。
デザインの好みだけでなく、誰に何を販売するのか、どのような接客を行うのか、どの程度の商品を陳列するのかといった店舗運営に関する情報が重要です。
例えば、同じ物販店舗でも、商品を多数陳列する店舗と、商品を体験してから購入する店舗では、必要なスペースや設備が異なります。
店舗の目的と必要な機能を整理することが、内装計画の出発点になります。
依頼前に決めておきたい5つの項目
1.店舗のコンセプトと対象顧客
店舗のコンセプトは、内装デザインや什器の選定、売場レイアウトを考える際の基準になります。
例えば、落ち着いた雰囲気で接客を重視する店舗と、商品を自由に見て回れる店舗では、空間の使い方が異なります。
ブランドのイメージカラーや参考店舗の写真などがあれば、打ち合わせ時に共有すると方向性を伝えやすくなります。
2.取り扱う商品と必要な什器
商品カテゴリー、サイズ、商品点数などを整理します。アパレル店舗であればハンガーラックやマネキン、雑貨店であれば棚やフック什器など、商品によって必要な什器が異なります。
既存什器を再利用するのか、新しく購入・製作するのか、レンタル什器を活用するのかについても、分かる範囲で整理しておきます。
3.開店希望日と工事スケジュール
開店希望日は、設計・製作・施工のスケジュールを検討するための重要な情報です。
店舗内装工事では、デザインや図面の作成だけでなく、什器製作、材料の手配、施設側の承認、現場施工などに時間が必要になります。
開店日が決まっている場合は、そこから逆算して各工程の期限を設定します。商品搬入や陳列、スタッフ研修など、工事完了後に必要な準備期間も考慮しておくことが大切です。
4.予算の目安
予算は、施工会社へ相談する段階で大まかな目安を伝えておくと、計画を具体化しやすくなります。
店舗内装には、内装工事費だけでなく、什器製作費、照明・電気設備、サイン、搬入費などが関係する場合があります。
予算を検討する際は、何を優先するのかも整理しておきます。例えば、店舗の印象を左右する部分には特注什器を使用し、汎用的な部分には既製什器を活用するなど、費用の配分を考えることができます。
5.店舗の物件条件
店舗の所在地、面積、建物の状況、既存設備などを確認します。
特に商業施設内の店舗では、工事時間や搬入方法、使用材料、図面提出などに施設独自の条件が設けられていることがあります。
物件がまだ決まっていない場合も、想定する立地や店舗面積を伝えることで、初期段階の相談を進めることができます。
施工会社との打ち合わせに用意したい資料
店舗内装工事の相談では、以下のような資料があると、施工会社が条件を把握しやすくなります。
- 店舗の平面図・区画図面
- 現地の写真
- 店舗コンセプトやブランド資料
- 参考にしたい店舗・内装の写真
- 商品リストや商品カテゴリーの一覧
- 使用予定の什器・設備の情報
- 開店までのスケジュール
- 予算の目安
- 商業施設の施工要項・工事区分表
これらの資料がすべて揃っている必要はありません。未確定の項目がある場合は、その内容を伝えたうえで、何を優先して決めるべきか相談することができます。
商業施設内の店舗で特に確認したいこと
ショッピングセンターや百貨店などの商業施設に出店する場合は、施設側の工事ルールを確認しておくことが重要です。
施設によっては、工事の実施時間、搬入経路、使用材料、防火・防炎に関する条件、設備工事の区分などが定められています。
また、施設指定業者が担当する工事と、テナント側で手配する工事が分かれている場合もあります。
これらの条件を確認せずに設計を進めると、後から図面の修正や追加工事が必要になることがあります。
施工要項や工事区分表などの資料がある場合は、初期段階で施工会社と共有しておくことが大切です。
内装工事と什器製作は一緒に考える
店舗内装では、床・壁・天井などの内装工事だけでなく、商品を陳列する什器やカウンター、サインなども必要になります。
内装と什器を別々に計画すると、什器の寸法と設置スペースが合わない、必要な電源が確保できない、商品を陳列すると通路が狭くなるといった問題が起こる場合があります。
そのため、設計の初期段階から、必要な什器や商品陳列方法を合わせて検討することが重要です。
また、既製什器やレンタル什器を活用できる部分と、店舗のコンセプトに合わせて特注製作する部分を整理することで、予算や納期に合わせた計画を立てやすくなります。
初回打ち合わせで確認しておきたいポイント
施工会社との初回打ち合わせでは、希望するデザインを伝えるだけでなく、依頼できる範囲や今後の進め方も確認しておきます。
- 企画・デザインから相談できるか
- 設計・什器製作・施工の対応範囲
- 現地調査が必要か
- 見積もりに必要な資料
- 商業施設との調整範囲
- 開店希望日までの対応可否
- 設計変更が発生した場合の進め方
- 工事完了後の確認・引き渡し方法
特に、設計と施工を別々の会社へ依頼する場合は、それぞれの担当範囲や連絡窓口を明確にしておくことが重要です。
準備段階から相談できる施工会社を選ぶ
店舗内装工事は、すべての条件が決まってから相談するものとは限りません。
店舗のコンセプトや商品構成は決まっていても、什器の種類や売場レイアウト、設備については検討途中というケースもあります。
そのような場合は、企画・空間デザインから設計・施工まで相談できる会社であれば、必要な条件を整理しながら計画を進めやすくなります。
株式会社ローザでは、店舗・施設の企画・空間デザインから設計・施工まで対応しています。自社保有の什器・マネキンのレンタルや特注製作にも対応しており、店舗の目的や商品構成に合わせた売場づくりについてご相談いただけます。
まとめ|店舗内装工事は依頼前の情報整理が重要
店舗内装工事を依頼する前には、店舗のコンセプト、取り扱う商品、必要な什器、開店時期、予算、物件条件などを整理しておくことが重要です。
すべての内容を事前に決める必要はありませんが、分かっていることと未確定のことを整理しておけば、施工会社との打ち合わせを進めやすくなります。
また、内装工事だけでなく、什器製作や設備、商業施設の施工条件まで含めて検討することで、設計変更や追加工事のリスクを減らしやすくなります。
店舗の完成イメージだけでなく、実際の商品陳列や店舗運営まで想定して準備することが、使いやすい店舗づくりにつながります。

