FRPマネキン人形のできるまで
新しいマネキンはまず開発企画会議から始まります。
そこでは、最新のファッション情報、店舗ディスプレイの動向、生活者の消費動向などが分析されます。
そしてアート感覚と技術に裏付けされた、豊かな表情、ポーズ、感性を満たすマネキン開発が企画されます。
- Ⅰ、粘土原型制作
- 制作段階の第一歩は、マネキンのデザイン。基本パターン、ポーズ体型(サイズ)が粘土によって形づくられる。原型師は、モデルと向き合い、作業も真剣そのもの。高い芸術性と彫塑力を必要とします。
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①イメージするデッサンを描き、 マネキンのポーズ等を決める。 |
②鉛管を曲げて骨組みを作る。 | ③しゅろ縄を巻き付けて、粘土が 付きやすくする。 心棒の完成。 |
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④心棒に粘土で大まかな肉付けを する。 |
⑤粗く全体像が出来上がる。 | ⑥各部のサイズを確認しながら、 さらに肉付けを行い、仕上げに向 かう。 |
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⑦顔の制作。 | ⑧各パーツの位置関係に注意しな がら、作り進める。 |
⑨粘土の凹凸をならし粘土原型の 完成。 |
- Ⅱ、石膏型取り
- 粘土原型が仕上がると石膏でその凹型を取る作業に入ります。これを石膏型取りと言います。抜き取った型は、これからFRPマネキンを複製していくベースになります。
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①型を分割するラインに沿って、 薄い金属板を刺し込んでいく。 |
②粘土原型に石膏をかけ、塗布し て重ねていく。 |
③顔の表面は、気泡が入らないよ うに特に注意して行う。 |
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④石膏が固まったら、薄い金属板 のラインに沿って型を外す。 |
⑤型をはずし終えたら、付着した 粘土を落とす。石膏型の完成。 |
- Ⅲ、マスター原型作り
- 粘土で作ったマネキン(粘土原型)をそっくりそのままプラスチックに複製する作業。このマスター原型が量産型の前の制作なので合わせる際のずれや、歪みの厳重チェックが為されます。
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①石膏型に離形材を塗ってから樹 脂を塗布する。ガラス繊維布を貼 って丈夫にする。 |
②樹脂が固まったら、石膏型を外 す。粘土原型と同じ形のマスター 原型が出来上がる。 |
③マスター原型の完成形をイメー ジする。 |
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④傷一つないように、表面全体を 磨き上げていく。 |
⑤分割されたパーツごとに、ジョ イントするための部材を取り付け る。 |
⑥各ジョイント部分にズレがない か確認する。 |
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⑦マスター原型完成 |
- Ⅳ、量産型制作
- ここからが製品工程で、同じマネキンを何体も生み出す目的の量産型を作る作業となります。凹型の量産型ですが、一型で50体ぐらいを抜きますので正確で頑丈なものに作りあげていきます。
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①マスター原型から、頑丈な量産 型となる雌型を作る。 |
②樹脂に浸したガラス繊維を気泡 が入らないように丁寧に張り込む。 |
③ガラス繊維布を何枚も重ねて、 頑丈な型にする。 |
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④顔はシリコンで型取りする。 | ⑤顔は形状が複雑なため、弾力の あるシリコン樹脂が必要となる。 |
⑥量産型の完成。 |
- Ⅴ、成形(マネキンの複製)
- この製作工程でマネキンの製品が出来てきます。この成形とは、いわば商品として手が施される前のはだかのマネキン人形を作る作業なのです。
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①量産型の内側に離形材を塗り、 樹脂を満遍なく塗布する。 |
②樹脂に浸したガラス繊維を気泡 が入らないように丁寧に張り込む。 |
③全てのパーツに同じ作業を繰り 返す。 |
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④各パーツの前面と後面を、ドラ イバーでしっかり締め付ける。 |
⑤顔のシリコン型に樹脂を塗り、 ガラス繊維布を丁寧に張り込む。 |
⑥各パーツの接合部にジョイント パーツを取り付ける。 |
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⑦各パーツごとに離形する。 | ⑧離形した段階では、継ぎ目に樹 脂がはみ出しバリが出ている。 |
⑨継ぎ目のバリを削り、パテ埋め しながら綺麗に磨き上げていく。 |
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⑩顔を接合する。 |
- Ⅵ、地吹き
- マネキン人形の肌色は、性別や製品企画によって色が異なります。
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①指定された肌色のラッカーを、 スプレーガンで塗装する。 |
②手足やその他のパーツも、同様 に塗装する。 |
③マネキンが出来上がる。。。。 |
- Ⅶ、ヘアメイクアップ
- 下地が出来ると最終工程メイクアップが施されます。細い筆で、眉毛や目を丹念に描き、口紅その他の修正が行われます。最後に彩色、ヘアーの細かいチェックが慎重に行われてマネキン人形が完成します。
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①目など各パーツに、ラッカー塗 料を吹き付けていく。 |
②油絵の具を使い、筆で目と眼球 を描く。 |
③メークアップの完成。。。。。 |
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④カツラを被せる。 |
- Ⅷ、FRPマネキン人形の完成
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華やかで感性豊かなマネキン人形。 この芸術的創造物は、このようなプロセスを経て生まれてきます。 |