商談につながるヒアリングとつながらないヒアリング -“成果・商談化”編(3)-

商談につながるヒアリングとつながらないヒアリング

展示会では、多くの来場者と短時間で会話することになります。その中で商談につながる相手を見つけるために重要なのが「ヒアリング」です。

しかし、同じように来場者と話していても、商談につながる企業と、名刺交換だけで終わってしまう企業があります。

その違いは、単に「たくさん質問したか」ではありません。重要なのは、来場者の課題や検討状況を自然な会話の中から把握できているかです。

本記事では、展示会で商談につながるヒアリングと、つながらないヒアリングの違いについて解説します。

展示会施工の全体像を整理したい方は、展示会ブース施工の完全ガイドもあわせてご覧ください。

目次

展示会のヒアリングは「商品説明のため」ではない

展示会では、自社の商品やサービスを説明することに意識が向きがちです。

しかし、商談につなげるためには、説明する前に相手を理解する必要があります。

  • 何に困っているのか
  • なぜ展示会に来ているのか
  • どのような商品・サービスを探しているのか
  • いつ頃の導入を考えているのか

といった情報が分からなければ、相手に合った提案はできません。

展示会でのヒアリングは、「説明するための前段階」ではなく「商談の可能性を見極めるための時間」と考えることが重要です。

つながらないヒアリング① いきなり商品説明を始める

展示会でよくあるのが、来場者がブースに入った瞬間から商品説明を始めてしまうケースです。

「こちらが新製品です」「この製品には○○という機能があります」と説明を続けても、相手がその商品を必要としているとは限りません。

まずは、「今日はどのような製品をお探しですか?」「何か課題があって情報収集されていますか?」など、来場目的を確認することから始める方が、その後の会話につながりやすくなります。

つながらないヒアリング② 質問がアンケートになっている

ヒアリング項目を事前に決めておくことは重要です。

しかし、「導入予定はありますか?」「予算はいくらですか?」「決裁権はありますか?」と質問を次々に並べると、来場者にとってはアンケートや営業チェックを受けているような感覚になってしまいます。

ヒアリングは質問項目を埋めることが目的ではありません。相手の話から次の質問を広げ、自然な会話の中で必要な情報を確認することが大切です。

つながらないヒアリング③ Yes・Noで終わる質問が多い

「導入予定はありますか?」と聞けば、「まだありません」で会話が終わってしまう可能性があります。

一方、「現在はどのような方法で対応されていますか?」と聞けば、現在の状況や課題について話してもらえる可能性があります。

  • 現在はどうされていますか?
  • どのあたりに課題を感じていますか?
  • 今回の展示会ではどのような情報を探していますか?

このように、相手が自由に答えられる質問を使うことで、会話を広げやすくなります。

商談につながるヒアリング① 現状を聞く

最初から「何が欲しいですか」と聞くのではなく、まず現在の状況を聞きます。

例えば、「現在はどのような方法を使われていますか?」「今はどのような体制で対応されていますか?」といった質問です。

現状が分かると、その後に課題を聞きやすくなります。

商談につながるヒアリング② 課題を聞く

次に確認したいのが「困っていること」です。

例えば、「現在の方法で何か困っていることはありますか?」「改善したいと思っている部分はありますか?」などです。

ここで具体的な課題が出てくれば、商品説明も相手に合わせて変えることができます。

一方的に商品の特徴を説明するより、「その課題でしたら、この部分がお役に立てると思います」と話した方が、来場者にとって自分に関係のある情報になります。

商談につながるヒアリング③ 導入時期を確認する

課題があることが分かったら、検討時期を確認します。

例えば、「いつ頃までに改善したいとお考えですか?」「具体的な導入時期は決まっていますか?」などです。

  • すぐに検討したい
  • 半年以内に検討したい
  • 将来のために情報収集している

同じ課題を持っている人でも、検討時期によって営業上の優先順位は違います。展示会後のフォローを効率化するためにも重要な情報です。

商談につながるヒアリング④ 選定プロセスを確認する

BtoB商材では、話している本人だけで購入を決められないケースが多くあります。

そのため、「社内ではどのように検討される予定ですか?」「ほかの部署の方も選定に関わりますか?」など、選定の流れを確認できると、その後の提案がしやすくなります。

重要なのは、単純に「決裁権がありますか」と聞くことではありません。その人が社内の検討プロセスでどのような役割を持っているのかを理解することです。

「現状 → 課題 → 時期 → 選定」の順番で聞く

展示会でのヒアリングを整理すると、基本的には次の流れになります。

  1. 現状:現在どうしているのか
  2. 課題:何に困っているのか
  3. 時期:いつ解決したいのか
  4. 選定:誰が、どのように検討するのか

この順番で会話すると、尋問のようになりにくく、自然に商談に必要な情報を集めることができます。

すべての来場者に同じ時間をかけない

展示会では対応できる人数に限りがあります。そのため、すべての来場者に長時間説明する必要はありません。

前の記事で紹介したように、来場者の課題や検討時期などから「検討客」を見極め、優先順位をつけることが重要です。

▶ 関連記事
展示会で“検討客”を見極める方法

情報収集段階の来場者には資料を案内し、具体的な課題を持つ来場者には詳しくヒアリングするなど、対応を変えることで限られた時間を有効に使えます。

ヒアリングした内容を必ず記録する

良いヒアリングができても、展示会終了後に内容が分からなくなってしまえば意味がありません。

  • 課題
  • 興味を持った商品・サービス
  • 導入時期
  • 選定への関わり方
  • 次に行うこと

最低限、これらの情報は記録しておきましょう。

名刺だけを営業担当者に渡すのではなく、「誰が、何に困っていて、次に何をすべきなのか」まで残すことで、展示会後のフォローが具体的になります。

まとめ|良いヒアリングは「説明する前に聞く」

展示会で商談につながるヒアリングの基本は、商品を説明することではなく、まず相手を理解することです。

現状 → 課題 → 時期 → 選定という流れを意識することで、来場者の検討状況を自然に把握できます。

そして、その情報を展示会後の営業担当者へ引き継ぐことで、単なる名刺交換を具体的な商談へつなげることができます。

展示会の成果を高めるためには、「何人と話したか」だけではなく、「どこまで相手を理解できたか」という視点を持つことが重要です。

▶ 次の記事
展示会で成果が出る企業の共通点

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